リキュールの深遠な世界
日本ではカクテルの原料と思われがちなリキュール、けれどもこれはアメリカのBAR文化なのです。アメリカはかつて禁酒法の時代があり、お酒の製造と販売が規制されました。その時、マフィアが暗躍し、密造が行われていましたが多くの密造品は粗悪な酒で、そのままで飲んでもおいしくない、そこでカクテルの文化が発展していきました。
ヨーロッパでは、アブサンがその生贄になり、その他のお酒が禁止されることはありませんでした。そのため高品質なお酒が造り続けられ、そのまま飲んでも十二分においしいのでカクテルとしてではなく、そのまま何も加えずに食後やナイトキャップにリキュール専用のグラスに注いでゆっくりと時間をかけて楽しむスタイルが一般的です。
ここでは、そのまま飲むことを中心に、カクテルにしてもソーダ割などシンプルなカクテルにて紹介していきます。

薬草系の王様、アブサンと紹介したいところですが、別にページがありますのでアブサン以外で

シャルトリューズ



薬草系の代表銘柄でこれをおいてなければBARとは言えないと一部では言われるほどメジャーです。フランスの修道院で作られる薬草系リキュールで140種類とも言われるハーブを配合、そのレシピを知っているのは、たった3人しかいないとか、その薬効はまさに万能薬、究極の霊薬、バーテンダーは体調を崩した際、まずこれを飲んで治療を試みます(笑)



シャルトリューズ・ジョーヌ・VEP
シャルトリューズ・ヴェール・VEP
 
VEPという熟成タイプのスペシャル品もあります。
ナイトキャップに最も最適な一本と呼ばれ、まさに飲む香水、これから薬草系リキュールの世界に入った方は数知れず

さらに、スペシャル品もシャルトリューズのラインナップにはあります。



エリクシール・ヴェジタル・ドゥ・ラ・グランド・シャルトリューズ(イヴ)
最初のEとヴェジタルのVEの頭文字を取って通称イヴと呼ばれています。小瓶しかなく71度と度数も高くシリーズ中最も濃く、薬効も高いとされております。
これを飲んでも直らなかったら、バーテンダーは病院へ向かいます。(笑)

シャルトリューズ・ジェネピー
アルプス山脈周辺のニガヨモギに近縁のハーブジェネピーを入れたバージョン。通常品より独特の苦みがあり、より通好み。
ジェネピー系リキュールもいずれ機会があれば触れたいですねー

シャルトリューズ・ナインス・センティネア(900周年記念ボトル)
900周年記念はこのシャルトリューズが作られてではなく、このシャルトリューズ修道院の方の900周年です。1984年に初リリース以来、数度リリースされているようです。味もスペシャル品でジョーヌとヴェールのいいとこ取りの品。




さて、シャルトリューズ好きでこれ以上の品はないのかと嘆きの兄貴
知られていないライバルたちを紹介。第一の刺客は
エギュベル・ヴェールVEP 
エギュベル・ジョーヌVEP



エギュベル・ラファエル

フランスにはシャルトリューズ修道院と同じぐらい酒を造っている有名な修道院がある。それがエギュベル修道院。カシス、カカオ、ジン、ミュール、トリプルセックなどなど非常に多くのラインナップがあるが、大天使と同じ名前のラファエルがやはり最高峰、ちなみに、大天使ラファエルは他の大天使に比べてあまり人気が無くこの天使を奉っている数少ない修道院。およそ100種類のハーブを材料に30年以上熟成。シャルトリューズとはひと味違う複雑さ。レア度や熟成年数はこちらの方に軍配が上がる。



シャルトリューズ第二の刺客は、

エリジール・MP・ルー

南フランスのプロバンスのプロヴナンス社の一品。同社はアブサント55もリリースしている。15種類のハーブから作られる薬草系リキュール(アーモンド、アンジェリカ、バルサミテ、レモン、コリアンダー、ダミアナ、フェンネル、スターアニス、朝鮮人参、ヒソップ、ナツメグ、マジョラム、メース、メリッサ)非常に芸術的なボトルでハーブなどが美しく描かれている。味わいも複雑で非常に濃いハーブを感じる。


シャルトリューズ第三の刺客は、

イザーラ・グリーン

スペイン、バスク地方のリキュール。スペインでもバスク地方は独自の文化と言語があり、このリキュールも他の薬草系にはない変わった香りがある。

スペイン系薬草リキュール
イエルバス

オルホ・デ・イエルバス、リコール・デ・イエルバス、アグアルディエンテ・デ・イエルバスなどと呼ばれ、ワイン醸造の際にでる、絞り粕や澱引きしたワインを使って作られるスピリッツ。スペイングラッパとも呼ばれるオルホやアグアルディエンテをベースにハーブを加えて風味を付けたリキュール。
黄色く、アルコール38%前後ほのかな甘さとほのかなハーブの香りが特徴。
 
マーティンコダック・イエルバス
ラウロー・イエルバス